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交通事故の物損における評価損について

執筆者の写真: 弁護士 石塚 誠弁護士 石塚 誠

物損事故における評価損(格落ち)は、修理によって物理的には元通りになったとしても、事故歴によって車の市場価値が下がってしまうことを指します。弁護士として、評価損に関する注意点と、認められる具体例について解説します。


評価損が認められるためのポイント


評価損が認められるかどうかは、以下の要素を総合的に考慮して判断されます。


* 車種・年式・走行距離: 高級車や人気車種、年式が新しい車、走行距離が少ない車ほど、評価損が認められやすい傾向にあります。


* 損傷の程度・部位: 車の骨格部分(フレーム、クロスメンバーなど)に損傷があった場合や、修復歴が中古車市場でマイナス評価となるような損傷の場合、評価損が認められやすいです。


* 修理歴の有無: 修理歴が残ることで、将来的な売却価格が下がる可能性があります。


* 事故歴が市場に与える影響: 事故歴が中古車市場でどの程度マイナス評価となるかを、客観的な資料(中古車市場のデータ、鑑定書など)に基づいて主張する必要があります。


評価損が認められる具体例


* 高級車や人気車種で、骨格部分に損傷があった場合


* 年式が新しく、走行距離が少ない車で、修復歴が残るような損傷があった場合


* 中古車市場で事故歴がマイナス評価となるような損傷があった場合


* 修理をしても、修理箇所、修理痕が残る。


評価損を請求する際の注意点


* 客観的な資料の収集: 中古車市場のデータ、鑑定書、修理見積書など、評価損を裏付ける客観的な資料を収集することが重要です。


* 弁護士への相談: 評価損の請求は、専門的な知識と経験が必要です。弁護士に相談し、適切なアドバイスを受けることをお勧めします。


* 保険会社との交渉: 評価損は、保険会社が容易に認めるものではありません。弁護士に依頼することで、保険会社との交渉を有利に進めることができます。


評価損請求の流れ


* 証拠収集: 修理見積書、事故状況の写真、修理後の写真、中古車市場での評価額の資料などを収集します。


* 弁護士への相談: 収集した証拠をもとに、弁護士に相談し、評価損の請求が可能かどうか、請求額はどの程度になるかなどを確認します。


* 示談交渉: 弁護士が保険会社と示談交渉を行います。


* 訴訟: 示談交渉が決裂した場合、訴訟を提起します。


まとめ


評価損は、物損事故によって生じる損害の一つであり、適切な証拠と主張によって認められる可能性があります。評価損でお困りの際は、弁護士にご相談ください。

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