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インターネット上で名誉毀損された方へ

執筆者の写真: 弁護士 石塚 誠弁護士 石塚 誠

インターネット上で名誉毀損の被害に遭われた場合、冷静に、そして迅速に適切な法的措置を講じることが重要です。ここでは、弁護士の視点から、個人情報の登録が必要なサイトと不要なサイトに分けて、具体的な手続きを解説します。


1. 個人情報の登録が必要なサイトでの名誉毀損


* サイト管理者への削除要請と発信者情報開示請求


* まずは、サイトの利用規約に従い、管理者に対して問題のある投稿の削除を要請します。


* 同時に、発信者の情報開示を請求します。登録が必要なサイトでは、管理者が発信者の情報を保持している可能性が高いです。


* 発信者情報開示命令の申し立て


* サイト管理者が任意に情報開示に応じない場合は、裁判所に発信者情報開示命令を申し立てます。


* この際、名誉毀損の事実を示す証拠(スクリーンショットなど)を提出する必要があります。


* 発信者の特定と法的責任の追及


* 開示された情報に基づき、発信者を特定し、損害賠償請求や刑事告訴などの法的措置を検討します。


2. 個人情報の登録が不要なサイト(匿名掲示板など)での名誉毀損


 * サイト管理者への削除要請


   * まずは、サイトの利用規約に従い、管理者に対して問題のある投稿の削除を要請します。


* IPアドレスの特定


* 匿名性が高いサイトでは、まず発信者のIPアドレスを特定する必要があります。


* 掲示板の管理者に対してIPアドレスの開示を求め、応じない場合は裁判所に開示の仮処分を申し立てます。


* プロバイダへの発信者情報開示請求


* 特定したIPアドレスからプロバイダを割り出し、プロバイダに対して発信者情報開示請求を行います。


* 改正プロバイダ責任制限法により、以前よりも情報開示が容易になりましたが、それでも裁判所への申立てが必要となる場合が多いです。


* 情報開示と法的責任の追及


* プロバイダから情報が開示されれば、発信者を特定し、法的責任を追及できます。


* 重要な注意点


* IPアドレスは一定期間で削除されるため、迅速な対応が必要です。証拠となる投稿のスクリーンショットなどを必ず保存してください。


3. 共通の手続き


* 証拠の保全


* 名誉毀損の投稿や書き込みのスクリーンショット、URL、日時などを記録し、証拠として保全します。


* 弁護士への相談


* インターネット上の名誉毀損は、専門的な知識と経験が必要です。早期に弁護士に相談し、適切なアドバイスを受けることを強くお勧めします。


* 精神的ケア


* 名誉棄損にあわれた場合、精神的な負担が大きいものです。必要に応じてカウンセリングを受けるなどしてご自身のケアも行ってください。


4. 法的措置の選択


* 削除請求


* 問題のある投稿や書き込みの削除を求めます。


* 損害賠償請求


* 名誉毀損によって受けた精神的苦痛や経済的損失に対して、損害賠償を請求します。


* 刑事告訴


* 悪質な名誉毀損に対しては、刑事告訴を検討します。


インターネット上での名誉毀損は、放置すると被害が拡大する可能性があります。早期の対応が重要ですので、お一人で悩まず、専門家である弁護士にご相談ください。

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