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交通事故における高次脳機能障害について、弁護士が解説

執筆者の写真: 弁護士 石塚 誠弁護士 石塚 誠

交通事故における高次脳機能障害は、外見からは分かりにくいため、適切な認定を受けることが難しい場合があります。弁護士として、高次脳機能障害の認定におけるポイントや注意点をまとめました。


1. 高次脳機能障害とは


高次脳機能障害とは、交通事故などの外傷によって脳が損傷し、記憶力、注意・集中力、遂行機能、社会的行動などに障害が生じる状態を指します。具体的には、以下のような症状が見られます。


* 記憶障害:新しいことを覚えられない、昔の記憶が曖昧になる


* 注意・集中力障害:一つのことに集中できない、気が散りやすい


* 遂行機能障害:計画を立てて実行できない、段取りが悪い


* 社会的行動障害:感情のコントロールが難しい、他人とのコミュニケーションが苦手


2. 高次脳機能障害の認定におけるポイント


高次脳機能障害の認定を受けるためには、以下のポイントが重要となります。


* 受傷直後の意識障害の程度:受傷直後の意識状態や、意識が回復するまでの時間が重要な判断材料となります。


* 画像所見:CTやMRIなどの画像検査によって、脳の損傷部位や程度を確認します。


* 神経心理学的検査:記憶力、注意・集中力、遂行機能などを評価する神経心理学的検査の結果が重視されます。


* 日常生活状況の把握:家族や周囲の人の協力を得て、日常生活における具体的な症状や支障を詳細に記録します。


3. 高次脳機能障害の認定における注意点


高次脳機能障害の認定においては、以下の点に注意が必要です。


* 早期の専門医への相談:高次脳機能障害の診断や評価には専門的な知識が必要なため、早期に専門医に相談することが重要です。


* 症状の経過記録:日々の症状や変化を詳細に記録し、医師に正確に伝えることが大切です。


* 弁護士への相談:高次脳機能障害の認定は複雑な手続きを伴うため、交通事故に強い弁護士に相談し、サポートを受けることをお勧めします。


4. 弁護士に相談するメリット


弁護士に相談することで、以下のようなメリットがあります。


* 適切な後遺障害等級の認定:弁護士は専門的な知識と経験に基づいて、適切な後遺障害等級の認定をサポートします。


* 示談交渉のサポート:保険会社との示談交渉を代行し、適正な賠償金の獲得を目指します。


* 精神的なサポート:弁護士は被害者や家族の精神的な負担を軽減し、安心して治療に専念できる環境を提供します。


5. まとめ


交通事故による高次脳機能障害は、適切な認定を受けることで、適正な賠償金を受け取ることができます。そのためには、早期の専門医への相談、症状の経過記録、弁護士への相談が重要です。


6. 参考情報


* 高次脳機能障害情報・支援センター:https://www.koujino.jp/


* 交通事故弁護士ナビ:https://koutsujiko.vbest.jp/


7. 免責事項


このブログ記事は、一般的な情報提供を目的としており、法的助言を提供するものではありません。具体的な法的問題については、必ず弁護士にご相談ください。

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