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簡易裁判所の手続きを徹底解説!メリット・デメリットを知って賢く利用しよう

執筆者の写真: 弁護士 石塚 誠弁護士 石塚 誠

日常生活で起こる様々なトラブル、例えば、家賃の滞納、少額のお金の貸し借り、近隣住民との騒音問題など、あなたも一度は経験したことがあるかもしれません。これらのトラブルを解決するために、簡易裁判所という身近な司法機関を利用することができます。


簡易裁判所では、比較的簡単な民事事件や調停を取り扱っており、弁護士に依頼せずにご本人でも手続きを行うことができます。しかし、簡易裁判所の手続きには、メリットだけでなくデメリットも存在します。


この記事では、簡易裁判所の代表的な手続きである「少額訴訟」「支払督促」「民事調停」について、それぞれのメリット・デメリットを解説します。


1. 少額訴訟


60万円以下の金銭の支払いを求める場合に利用できる手続きです。原則として1回の期日で審理が終了するため、迅速な解決が期待できます。


メリット


* 迅速な解決: 原則1回の期日で審理終了


* 手続きが簡単: 書類作成などの負担が少ない


* 費用が安い: 通常訴訟よりも費用を抑えられる


デメリット


* 請求額に上限がある: 60万円を超える請求はできない


* 相手方が通常訴訟へ移行できる: 相手方が希望した場合、通常訴訟に移行する


* 証拠が複雑な場合は不向き: 1回の期日で審理するため、複雑な証拠調べには向かない


2. 支払督促


金銭の支払いを求める場合に、裁判所書記官が相手方に支払いを督促する手続きです。相手方が異議を申し立てなければ、強制執行の申し立てができます。


メリット


* 迅速な手続き: 書類審査のみで手続きが完了


* 費用が安い: 少額で利用可能


デメリット


* 相手方が異議を申し立てると通常訴訟へ移行: 異議申し立てがあると、通常訴訟に移行


* 請求できる内容が限定的: 金銭の支払いのみ


3. 民事調停


裁判官と調停委員が間に入り、当事者間の話し合いによる解決を目指す手続きです。当事者双方の合意が必要となります。


メリット


* 柔軟な解決: 話し合いによる解決のため、柔軟な解決が可能


* 費用が安い: 通常訴訟よりも費用を抑えられる


* 当事者間の関係悪化を防げる: 話し合いによる解決のため、関係悪化を防ぎやすい


デメリット


* 相手方の合意が必要: 合意に至らなければ解決できない


* 時間と手間がかかる場合がある: 話し合いのため、時間がかかる場合がある


まとめ


簡易裁判所は、身近なトラブルを解決するための有効な手段です。しかし、それぞれのメリット・デメリットを理解した上で、適切な手続きを選択することが重要です。

ご自身の状況に合わせて、これらの情報を参考に、簡易裁判所の手続きを賢く利用してください。


より詳細な情報やご自身のケースについて相談したい場合は、弁護士などの専門家にご相談ください。

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